民衆という低木地帯に放たれた火は、炎となりその勢いは衰えることなくどこまでも拡がっていきます。
『バーニン』の発表と同じ年に、ザ・ウェイラーズは「マービン・ゲイ」の前座として2つのショーに参加するようプロモートされました。ビッグなシチュエーション。ビッグなステージで、ボブは最高のパフォーマンスを繰り広げます。
ボブのバイブレーションは、マービン・ゲイの聴衆たちの心を揺り動かし、メインのアクトさえ凌駕します。
加えて1973年後半に、ザ・ウェイラーズは「スライ&ザ・ファミリーストーン」と共に、U.S.ツアーを行うことになります。スライは当時、チャート及びライブ・パフォーマンスにおいて、関心を一身に集め、音楽業界の有望株でした。
17都市を前座として周るツアーが組まれていましたが、たった4回の公演を終えたところでザ・ウェイラーズの役目は解かれます。理由は前座が主演を落としてしまったから。ゲイと同じく、スライ・ストーンでさえボブのバイブレーションに呑まれしまったのです。
Stir It Up♪♪♪
Stir it up, little darlin’
Stir it up, c’mon baby
C’mon and stir it up, little darlin’
Stir it up, ohIt’s been a long long time
Since I got you on my mind
And now you are here
I said its OK
You see what people do, baby
Just me and youI place a fire
Then I satisfy your all desire
Said I, stir each other
If you mean it, all you got to do baby
Is keep it till it endsStir it up, little darlin’
Stir it up, c’mon baby
C’mon and stir it up, little darlin’
Stir it up, oh
スティア・イット・アップ
心をかき立ててくれ かわいいあの娘
心をかき立ててくれ さあ ベイビー
さあ 心をかき立ててくれ かわいいキミ
オレの心をかき立ててくれ心にオマエが住みついてから
ずいぶんと長い時間がたった
そして 今 キミはここにいる
なんていい気分なんだ
こんな時はどうするか知っているだろ ベイビー
そうさ オレとキミの2人だけ火を灯して
キミの心の欲望を満たしてあげる
お互いの心をかき立てあったら
次にどうすればいいかわかるだろう
燃え上がった火が鎮まるまで
こうしているのさだから さあ かき立ててくれ
オレの心をかき立ててくれ
さあ オレのかわいいキミ
ここにきて
オレの心をかき立ててくれ
※訳文は筆者の勝手な解釈を含みます。ご了承ください。
大きく拡がるレゲエバイブレーション。ザ・ウェイラーズの精力的な活動によってレゲエはブラック・ミュージックの中核へと成長します。
Stir It Up♪
ボブのスタイルは、彼自身と聴衆の互い心をかき立て心酔させます。ザ・ウェイラーズの放つバイブレーションは、誰もが無視できないムーブメントとして、大きく注目されるようになりました。
でもそんな時に、ザ・ウェイラーズに大きな変化が訪れます。大きなポテンシャルを秘めた彼らが故に、その存続さえ危ぶまれる変化が起ころうとしていました。